クレヨンしんちゃん映画6作目。
1998年4月18日公開。
オトナ帝国や戦国の原圭一氏が監督を務める作品。
シリアスとギャグのバランスが秀逸で、『オトナ帝国』や『戦国』の影に隠れているが、ぶりぶりざえもんが消えるシーンは涙不可避。
何と言ってもこの映画のメインキャラは後の2000年に担当声優の塩沢兼人さんが亡くなって以来、声がつかなくなるぶりぶりざえもん。
それまでの映画もぶりぶりざえもんは出ていましたが、ぶりぶりざえもんをメインに扱った映画は本作が最初にして最後。
このタイミングで、ぶりぶりざえもん主演の映画をやるってのは神がかってますよね。
多分、この映画が無ければ今の子供へのぶりぶりざえもん認知度が今より更に悲惨だったんじゃないかな。
映画の内容としては、基本シリアスなのに、ゲストキャラの敵味方にギャグ要素が多く、随時笑わせてくるのがズルいw
Seigino
Mikata
Love
でSMLとかセンスあり過ぎだろ(笑)
今作のぶりぶりざえもんはしんのすけの描いた絵を元に作られたコンピュータウイルスであり、ブタのヒヅメがサイバーテロを起こす為に作られた存在。
生みの親であるしんのすけから「救いのヒーロー」として生み出されたのに、今作のぶりぶりざえもんは、悪の組織に作られた哀しき存在。
電脳世界でのこのやり取りは必見。
チンチンの大きさ比べるしんのすけとぶりぶりざえもんの描写はマジ受けるw
コンピュータウイルスであっても、ぶりぶりざえもんはぶりぶりざえもんであると視聴者に教えてくれるシーンは素晴らしい。 今見ると、在りし日のぶりぶりざえもんと、しんのすけのやり取りが切ない。今はもう、こういう何気ないシーンすら描けないんだよね…
マウス「さあ、行け!思う存分暴れてこい!お前は、世界を恐怖で支配するために生まれたのだ!」
ぶりぶりざえもん「…そう、私は、恐怖の支配者。世界中の人間どもがわたしの前にひれ伏す…」
しんのすけ「違うよ、ぶりぶりざえもん。お前はオラの友達で、『救い』のヒーローなんだよ」
マウス「黙ってろガキッ!」
ぶりぶりざえもん「『救い』のヒーロー…」
その後、ひまわりの妨害により、マウスは消え、ぶりぶりざえもんはしんのすけに、「その話、もう少し聞かせてくれ」
『コンピュータウイルス』であるぶりぶりざえもんが、『救いのヒーロー』に目覚めていくまでの流れは秀逸。
『ぶりぶりざえもんの冒険』という話を作れるしんのすけは間違いなく天才。
ぶりぶりざえもんが消えるシーンと、消えた筈のぶりぶりざえもんがしんのすけ達を救ってくれるシーンは素晴らしい。
まさにぶりぶりぶりざえもんのぶりぶりざえもんによるぶりぶりざえもんの為の映画。
全体的にシリアスとギャグのバランスが良く、笑えるし泣けるし、劇場版クレヨンしんちゃんとして完成されているのでクレヨンしんちゃんが好きだけど、まだ見てない人、ギャグが好きな人、ぶりぶりざえもんが好きな人、塩沢兼人さんが好きな人にオススメ。