2009年8月20日にコナミから発売されたPSP用のアドベンチャーゲームです。
ナチュラルにネタバレ入るので注意してください。
原案・監督がひぐらしのなく頃にに竜騎士07でキャラクターデザインがローゼンメイデンのPEACH-PITと2000年代後半のオタクを狙い撃ちにした作品ですね。
ジャンルはひぐらし同様ミステリーアドベンチャーノベル。プレイ時間は21時間で既読率は99.56%
シナリオにどこまで竜騎士さんが関わってるかわからないけど、ひぐらしっぽいフレーズがチラホラありますね。
例えば舞台になる街がひぐらし同様昭和58年の田舎町だったり、おおかみがなく頃にといった文章や、鬼隠し編の「それが私の願いです」に近いフレーズとか。
しかし、全体的に劣化ひぐらしというか、ひぐらしに触れた事がある人ならば、ある程度どんな展開かわかってしまう。
まず、この作品は黄泉平坂編、五色塚編、復讐奔流編、愛別離苦編、折鶴比売命編、inclube in編 回答編とルートは多いですが、五色塚編以外は一本道なので、ストーリーを読むだけなのがちょっと退屈か。
プレイ順もほぼ強制されていて、ゲームをやっているというより、小説なんかを読んでる感覚に近い。 まあ、その辺は「おおかみかくし」だけでなく、殆どのサウンドノベルでも言える気がしますが(笑)
個人的にメインヒロインである眠、サブヒロインである五十鈴のどちらも好きになれなかったのがキツい。
というより、「神人」が好きになれない。
神人というのは、ようするに嗅覚が発達した人間とは異なる人種で、舞台となる嫦娥町に昔から住んでいた人間達。 彼らにキスされると、人間は神人に変わってしまう吸血鬼的な特性を持っている。
その彼らにとって最高の匂いである主人公や、神人への復讐者である賢木さんに感情移入しちゃうとどうしても好きになれない。
まずは五十鈴。幼馴染でもないのに、最初から好感度MAXな時点で怪しい。 ひぐらしよりは都会だし、同年代の男の子が博士だけというわけでもない。なにより、K1とかと比べて博士はプレイヤーにとって魅力を感じられないし。
話を進めて行くと、案の定ミツを独占したいが為にベタベタくっついてるのが透けて見えるようになり嫌い。 愛別離苦の五十鈴視点の発情っぷりは本当にキツい。
眠は、まだ若いのに櫛名田家の代表を務め、堕神人を襲った神人を処刑したりする役目を負っている。彼女の場合、神人という種族の掟とかで仕方ない部分も多大なのだが、容赦無く人を処刑してるような奴がのうのうと暮らしてるのが受け付けない。
これは、感情移入の問題だろうね。人間である以上、どうしても神人への見る目が厳しくなってる部分もある。
俺には眠がいう共生とか絶対無理かな。
だいたい、二つの異なる種族の共生をテーマにするなら、ヒロイン二人とも神人にするのはバランス悪いんじゃないかな。
要するにかなめさんとイチャラブ出来るルートよこせと言いたい。
総評:70点。
昭和末期の田舎町的な雰囲気は良く出ていて良かった。 一本のお話としてはそれなりに好き。500円あれば買えるので伝奇物が好きなら是非。CV藤原啓治で「ひろし」と呼ばれるとクレヨンしんちゃん連想しちゃう。作品の設定上、薔薇や百合を連想させるシーンが結構あるので、苦手な人は注意。(特に薔薇) この手のサウンドノベルとしては、難易度低いので入門編にはいいかもしれませんね。「私を殺してください」の伏線って回収されたのかな。