1986年公開のアメリカ映画「STAND
BY ME」の感想です。
舞台は1950年代のアメリカ・オレゴン州。作家である主人公のゴードン・ラチャンス(ゴーディ)の回想という形で物語は語られて行く方式で、12歳の少年達の冒険譚て感じでしょうか。
ゴーディは、三人の少年達と連む毎日を送っていた。
リーダー格のクリス。軍隊に憧れてるテディ。臆病なデブのバーン。
そんなある日、バーンがゴーディ達にブラワーという少年が、30キロ先の森の奥で、列車に跳ねられ死体のまま野ざらしになっていることを知る。『死体を見つければ有名になる。英雄になれる』と言う動機から、死体探しの旅に4人で出かける事になる。
冒険と言っても、彼らは刑事でも軍人でもスパイでもない普通の12歳の少年だ。
映画的には「地味」と言っても差し支えないだろう。
だが、この映画が伝えたいのは、冒険を通した成長ではなく、少年時代の友情の終わりだ。
別に彼らが仲違いして別れる訳ではない。喧嘩をしたりもするが、彼らは協力して「冒険」を成功させた。
小学校時代仲良かった友達と中学、高校と歳を重ねるにつれて疎遠になった経験はないだろうか?また、疎遠にならなくても子供の頃と同じ関係を保つ事は無理だろう。男女なら互いに付き合うか、違う人と付き合って疎遠になったりするし、同性でも入る部活が違えば居る時間も減る。
そう。これはそんな子供が大人になっていく過程を描いた映画なのではないだろうか?
ある程度の年齢以上なら、誰もが持っている経験をモチーフにしているから、ノスタルジックな気分になる。
比べるべきではないが、クレヨンしんちゃんの『オトナ帝国』なんかに近い感傷的な作品ですね。
少年、少女の頃のあの輝かしい忘れ得ぬ日々を思い出させてくれる。そういう意味で非常に切ない作品だと思います。
ただ、現代日本人でショボくても「冒険」を行えた人間は何割居るのだろうか(笑)
それが1人でツーリングとかならまだしも、気の合う仲間達との掛け替えのない思い出だとしたら、相当限られてそう(笑)
俺もこういう冒険してみたかったな…