
作者:竹宮ゆゆこ
イラスト:駒都えーじ
レーベル:電撃文庫
あらすじ
はれて彼氏彼女の関係となった記憶喪失男・多田万里と、自称完璧なお嬢様、加賀香子。
幕が開けた二人のラブラブな日々は、天然だったりやっぱり完璧思考だったり。一方で、万里は過去の関係が白日のもとに晒されたリンダとは真っ直ぐ向き合えずにいた。
そして凹んだ男が一人。柳澤光央は一年生界での盛大な自爆のため深く落ち込んでおり、そんな彼を励ますために万里の部屋でお泊まり会的なイベントが発生するが――!?
竹宮ゆゆこ&駒都えーじが贈る青春ラブコメ、第3弾!
登場人物
多田万里
リア充爆発しろ! ラノベの三巻で彼女持ちという、ラノベ界では珍しい攻める主人公。香子と付き合っているが、彼女に振り回されてる模様。今巻は、やなっさんや二次元くんとの絡みが多くなって、良い感じ。
加賀香子
一方通行じゃなく、通じ合ったからか、浮かれてる感じが凄い。が、初体験はパリで、とか妙に理想が高かったり、ひとりで悩んでドツボにハマったりするところは治さないと万里と決定的にすれ違うかもね。
林田奈々
前巻で、万里が炸裂させた爆弾が尾を引いて、気まずくなる二人だが、NANA先輩の策略で一応和解。しかし、切ないよこれ…… リンダの気持ちがどんな風に物語に影響するのか、今後に期待。
柳澤光央
イメチェンしてイケメン度が倍増したヘタレさん。盛大な自爆して、岡ちゃんと気まずくなっていたが、万里の家でのお泊まり会でなんとか和解。 やなっさん顔も頭も悪くないのにヘタレすぎてかわいいw
岡千波
前巻で「え?ばかじゃん?」とあっさり柳澤の告白を切った割に、柳澤の事を気にかけてる模様。やなっさん、脈ある……? 今回の千波は、香子との舌戦や顔麺など見所満載www
二次元くん
今回も、万里達の友達という一歩引いた立ち位置。彼がフューチャーされる日が来るのか……?
NANA先輩
埼玉県蕨市出身のロックンローラー。万里の隣の部屋に住んでいる。 リンダとの和解に一役買った。
多田万里(幽霊)
今まで傍観を決め込んでいた守護霊というか、背後霊的な存在。 なのだが、終盤一瞬だけ身体を取り戻し、リンダを想うが――
一見、順風満帆な万里と香子。
今巻は、やらかした柳澤と千波の和解、そして万里とリンダの和解を描いてる訳ですか、相変わらず人間関係が拗れる拗れる。
まず、冒頭に「万里」の過去が描写される。
そこで、彼女の兄である「アニ」の婚約者が浮気している事を黙ってる事にしたリンダ。リンダは、アニに悲しい思いをさせたくないために、「黙ってる」という選択をする。
その後、「万里」はリンダが叫びたい時、泣きたい時、絶対そばにいる。同じ気持ちを分け合って、一緒にいると「約束」する。
「今」の多田万里は、その約束を知らない。その為、気まずくなり、リンダを避けて傷つけてしまう。
しばらく避けていたのだが、NANA先輩の策略で和解する。
リンダにとっては、記憶を失う前も、全て忘れた後も万里は万里である、大切な人。
「私は、あんたにまた会えて、本当に嬉しい。本当に、嬉しいんだよ」
「なにを引きかえにしてもいいって思ったんだもん。だから、神様、万里を生かして、って。心配したんだよ? あの日、急に他のヤツから連絡がきて、万里が川で見つかったとか、大怪我とか、意識がなくて、とか、そんな話で……死ぬかも、って。マジで。……本気で万里は死んじゃうのかも、って私……私だけじゃなくてみんな、ほんっ……とに心配したし、怖かったんだよ。夢なら覚めてってリアルに思った」
「そして、私の願いは叶ったの。あんたが生きて、ここにいる。そのためになら私はなんだって失える。喜んで差し出すよ。思うのはたった一つ……どれほど、あんたが生きていくのは難しいんだろうってこと。それだけ。私が傍にいることで、その困難が増すのなら、私はここから、あんたの傍から、離れたっていいんだ。そんなの、少しも苦痛のうちには入らない。万里を永遠に失うことに比べたら、そんなの、喜びの方に入れたっていいよ」
リンダのその気持ちは、まさしく本心でしょう。
しかし、リンダは嘘を付きます。仲は良かったけど、お互い恋愛感情はない、と。
仮にリンダにとっては、恋愛感情ではないという言葉を額面通り受け取るにしても、万里にとってはそうじゃない。過去の万里にとっては、リンダが好きで好きでたまらなく、告白しようと思っていた。
額面通りじゃないと思うので、恐らくこれは、リンダについた悲しくも優しい嘘。
多田万里を悩ませるような事はリンダは望まない。 上記のセリフの通り、万里の為なら、自分の想いすら失うことができるという事なのだと思います。
切なすぎるぜリンダ……
それ以外だとやっぱりやなっさんと岡ちゃんかな?
岡ちゃんの顔麺マジでウケるwww この二人がどうなるのかも気になりますね。
やなっさんがんばれ!
最後に、万里と香子。
一見、通じ合ってるようで、まだまだ乗り越えなければならないところがたくさんありますね。
香子のシナリオとか、香子の束縛、香子の思いこんで考え込む癖。
万里も万里で、リンダの事とか、過去の自分の事とかあるし、香子についてもこのまま続くとフラストレーションたまっていきそうだし。
次巻も面白いことになりそうですね。